楽天RPPエクスパンション広告でアクセス激減?!概要と注意点を徹底解説
2024年5月より楽天市場に「検索連動型広告-エクスパンション(RPP-EXP)」がリリースされて半年が過ぎました。
※以下、検索連動型広告-エクスパンション広告はRPP-EXP広告とします
夏前からアクセスが減少、またはスーパーSALE時期でも思うように伸びないとお悩みの店舗様はいらっしゃるのではないでしょうか。実は、このRPP-EXP広告リリース以降、顕著にアクセス数が減少している店舗様が一定数見られます。
特に激減した店舗さんを調査してみると、Google経由の流入が30~50%減っている事が分かりました。これは今まで無料でgoogle検索結果に商品が掲載されていたのが、RPPエクスパンションを使用しないと掲載されなくなったことが原因であると考えられます。
もし、直近半年でアクセス数が右肩下がりになっている店舗様がいらしたら、流入経路のチェックをしていただき、Google経由でのアクセスが減少している場合、RPP-EXP広告の導入を検討する必要があるかもしれません。
今回はRPP-EXP広告の概要、設定方法、運用のポイントなどを解説していきますので、ご参考下さい。
RPP-EXP広告とは?仕組みと特徴を理解しよう
RPP-EXP広告は、楽天RPP広告の最新機能です。
この広告は、楽天市場内ではなく、Googleの検索結果や関連する提携サイトなど、外部メディアに広告を配信できる点にあります。これにより、従来のRPP広告では実現できなかった広範囲な集客が可能になりました。
RPP-EXP広告は、楽天市場に登録された商品情報を基に、ユーザーの検索行動に応じて関連性の高い商品を自動的に表示します。
従来のRPP広告と同様、商品画像や広告文がRMSに登録された内容と連動するため、追加での画像や文章の入稿作業が不要です。 また、広告の配信実績をで確認でき、凡そが従来のRPP広告の運用に類似しているので導入時の負担は比較的軽いと思われます。
広告はどこに表示される?
RPP-EXP広告は、Googleの検索結果、ショッピングタブ、画像タブ、及び、YouTubeなどのGoogleサイトに加え、Googleが提携する多数の他社WEBサイトに掲載されます。
※ふるさと納税商品は、外部媒体の規定により現状では掲載が不可となっています。
楽天市場は、これまでも商品情報にカタログIDか白背景画像を設置するだけで、広告費楽天負担でgoogle検索結果に商品が掲載されていましたがRPP-EXP広告の導入により、楽天負担から店舗側で広告費を支払う仕組みに変更されたのです。
言い換えると、今まで無料で表示されていたものが、広告費を払わないと表示されないということです。
これが原因で、冒頭にお伝えしたアクセス数が減少している事象が発生しているため、原因がgoogle経由にある場合は、RPPエクスパンションの導入を検討する必要があります。
初心者でも安心!RPP-EXP広告の始め方
運用開始も簡単でハードルは低くなっています。
RMSの「広告・アフィリエイト・楽天大学」の「1.広告(プロモーションメニュー)」に進み、「検索連動型広告-エクスパンション(RPP-EXP)」を選択します。
「キャンペーン」タブを開き、「新規登録」ボタンを押すと設定画面が表示されるので、下記の4つの設定を行ってください。
- キャンペーン名:任意のキャンペーン名を入力。
- ステータス:「有効」を選択。
- 継続月予算:広告予算(月額の予算)を入力。
- 入札戦略:「クリック重視」か「ROAS重視」を選択し、値を入力。
※2024年12月時点ではまだ「ROAS重視」は選択できません。使用可能になったら改めて楽天から案内がきます。
上記の設定が完了後にRPP-EXP広告が自動で開始されます。
RPP-EXP広告で露出させたくない商品がある場合は、「除外商品」タブを開き「新規登録」ボタンを押して、除外したい商品の商品管理番号を設定してください。(1回の操作で最大5商品まで登録出来ます)
もし除外商品がたくさんある場合は、CSVファイルを使用して一括で登録することも出来ます。
メリット・デメリットを知って効果的な活用を目指そう
RPP-EXP広告利用のメリットとは?
楽天市場外へ効果的にアプローチ
楽天市場以外の媒体、特にGoogle検索結果での露出によって、新規顧客の獲得が期待できます。これにより、今までリーチできなかった層にも商品を認知してもらいやすくなります。
また、ユーザーの検索キーワードと関連性の高い商品が広告として表示されるため、購買意欲の高いユーザーに効果的にアプローチすることが可能です。
入稿不要
広告素材は登録済みのデータを活用して自動的に作成されるため、デザインや文言の作成に時間を割く必要がありません。
一時的なプロモーションにも最適
季節商品や期間限定商品などのキャンペーンでは、短期間で効率的に注目を集める手段として活用できます。
デメリットとリスク
以下は従来のRPP広告とは異なる部分になり、予算消化のスピードにも関わってくる重要な項目なのでしっかり把握しておきましょう。
商品ごとのクリック単価を設定出来ない。
RPPエクスパンションは、店舗全体でクリック単価を設定するだけで、商品毎にクリック単価を細かく設定することが出来ません。
商品に対してキーワード設定が出来ない。
キーワードの設定自体がないので、商品毎に重点的に露出したいキーワードを設定することが出来ません。
RPP-EXP広告は楽天が自動で検索キーワードと関連が高いと判断した商品を露出しますが、商品毎にクリック単価やキーワード設定ができないため、意図しない露出が増えて無駄なコストが発生してしまう可能性があります。
広告を開始したら、定期的にパフォーマンスレポートを確認して、ROASが低い商品は除外するなどの調整が必要となります。
広告予算の目安とポイント
RPP-EXP広告の費用は、設定する入札戦略によって異なります。
- クリック重視(CPC)の場合:クリック単価を10円から10,000円の範囲で設定可能です。
- ROAS重視の場合:広告費用対効果を10%から1,500%の範囲で設定可能です。(※)
(※ 2024年12月時点では「ROAS重視」は選択できません。使用可能になったら改めて楽天から案内がきます。)
また、どちらの方式でも月間の最低予算額は5,000円に設定されています。このため、事前に予算を計画し、戦略的に運用を進めることが重要です。
いきなり高単価に設定せず、まずは少ない単価から設定していき、パフォーマンスレポートで効果を検証していきながら徐々に調整していきましょう。
失敗しないために!運用時の注意点と成功のコツ
自社ECでの出稿との競合
もし自社ECサイトの宣伝を目的にGoogleショッピング広告を運用中で、同時にRPP-EXP広告を利用する場合、広告が同一のターゲットに重複して表示される可能性があります。
一見すると、どちらの広告経由であっても売上が上がれば問題ないように思えますが、楽天市場の場合、販売ごとに手数料が発生するため、自社ECサイトと比べて利益率が低下する可能性があります。配信戦略を十分に検討していきましょう。
利益率を考慮した運用判断
自社ECサイト向けのGoogleショッピング広告が既に運用されている場合は、RPP-EXP広告を追加で利用するべきかどうかを慎重に検討してください。特に、広告費の費用対効果や利益率を考慮することが重要です。
まとめ
今回は、RPP-EXP広告のリリースに伴いアクセス数が減少している問題について、基本概要の説明とともに対策をお伝え致しました。
RPP-EXP広告は、楽天市場外への広告配信を可能にすることで、店舗様にとっては楽天外からも新規顧客を獲得できるチャンスと言えます。
今まではコントロール出来なかったGoogleショッピング枠への配信が楽天RMS内で簡単に行えるため、特定の商品や店舗の認知度向上に役立ちますが、コスト面では予算が今まで以上に発生してしまう可能性もあります。
特に、楽天市場以外に自社ECで出稿している場合は、無駄なコストを避けるための工夫が、また今までGoogle経由でのアクセスが多かった店舗様は通常RPP広告との予算の配分を検討する必要があります。この記事を参考にしてご検討いただければと思います。ご不明な点がありましたらお気軽にお問い合わせくださいませ。
▼注目オンラインセミナー
CHECK!
弊社ではROAS1,000%を目指す広告運用に加え、モール内SEOを踏まえた店舗全体のアクセス強化サポートを月額33,000円(税込み)で承っております。
同ジャンルの店舗様は競合してしまうためお断りをしておりますので、ご興味をお持ちの方は、ぜひお早めにご連絡くださいませ。