楽天サーチにセマンティック検索技術が導入!楽天モール内SEOへの影響は?

楽天市場内での膨大な商品の検索性を高めるため、今年の7月から楽天市場の楽天サーチに、セマンティック検索と呼ばれるAIを活用したディープラーニング技術が導入され、この技術により、AIが単にキーワードとマッチさせるだけでなく、検索者の意図を理解できるようになりました。

セマンティック検索を試験的に最初に導入したRakuten Fashionと楽天市場では、検索結果0件の割合がは1%未満まで減少し、また、商品転換率が2.7%上昇したことがテストで確認出来たとのことです。今回は、このセマンティック検索について、またSEOへの影響についてお伝えしていきたいと思います。

セマンティック検索とは?

セマンティック検索は、検索エンジンがユーザーの入力したキーワードの背後にある意味を理解し、最も関連性の高い結果を提供する技術です。従来の検索がキーワードの一致に依存していたのに対し、セマンティック検索は言語の文脈やユーザーの意図を考慮します。

例えば、「赤い靴を探している」という検索に対して、AIが「赤い」という色、「靴」というカテゴリーだけでなく、求められているデザインやブランドをも考慮して結果を表示します。この技術により、曖昧な検索クエリでも、ユーザーが本当に求める商品にたどり着きやすくなります。

セマンティック検索と従来の検索技術との違い

従来の検索技術は、キーワードの一致に大きく依存していました。そのため、ユーザーが具体的なキーワードを入力しない限り、関連性の高い結果を得ることが難しいという問題がありました。


また、同義語や表現の違いが考慮されないため、ユーザーが思い浮かべた言葉と検索エンジンの結果が一致せず、検索結果に表示されないこともありました。

一方、セマンティック検索は、検索クエリの文脈や言葉の意味を理解することで、これらの問題を解決します。例えば、「オフィスでもカジュアルでも使えるバッグ」という検索を行った場合、従来の検索エンジンでは、この文章を単語ごとに分解し、「オフィス」、「カジュアル」、「使える」、「バッグ」といったキーワードが含まれている商品を表示していました。


しかし、セマンティック検索では、AIが文章全体の意味を理解し、それに関連する商品を検索結果に表示します。その結果、ユーザーが抽象的な検索ワードを入力した場合でも、欲しい商品が見つかりやすくなります。

この技術は、検索結果の精度を飛躍的に向上させるだけでなく、ユーザーが商品を見つけるまでの時間を短縮し、より満足度の高いショッピング体験を提供します。

セマンティック検索の導入で変わる楽天市場の検索

楽天市場では、膨大な商品数と多様なカテゴリが存在するため、特定の商品を見つけることが難しい場合があります。一般的なキーワードを使用した場合、関連性の低い商品が多数表示され、ユーザーが目的の商品にたどり着くまでに時間がかかることがありました。


しかし、セマンティック検索の導入により、ユーザーはより直感的に商品を見つけやすくなります。
たとえば、「プレゼント用のバッグ」といった曖昧な検索でも、セマンティック検索は「プレゼント」という文脈と「バッグ」というカテゴリーを理解し、ギフトに適した商品の提案を行います。

さらに、セマンティック検索は、検索結果の精度向上だけでなく、検索の幅を広げる効果もあります。
従来の検索では、特定のキーワードが含まれていない商品は検索結果に表示されませんでしたが、セマンティック検索では、関連性のある商品も表示されるため、ユーザーが知らなかった商品や新しいブランドに出会う機会が増えます。これにより、楽天市場内での購買行動が多様化し、使いやすさが向上します。

セマンティック検索の問題点

一方で、セマンティック検索が導入されたことにより、従来とは異なる検索結果となり、店舗側が意図しない商品が表示されてしまう問題点があります。
たとえば、バナーのリンクに検索結果URLを使用していた場合、従来の検索ではキーワードに一致する商品だけが表示されていましたが、セマンティック検索では関連すると判断された商品も表示される可能性があります。

この対策として、意図した商品だけを表示させたい場合は、「フレーズ一致検索」機能でURLを作成することをお勧めします。やり方は検索フレーズを半角ダブルクオーテーション「”」で囲うことで、そのフレーズが商品情報に含まれる商品のみを表示させることができます。

フレーズ一致検索を使用する際の注意点

スペースを含むフレーズ

フレーズ一致検索では、指定したフレーズがそのままの形で検索されます。これにはスペースも含まれ、スペースの位置が検索結果に影響します。
例えば、「”キャンペーン 2024″」(スペースあり)と検索した場合、スペースが含まれている商品ページだけが検索結果として表示されます。つまり、「お中元キャンペーン 2024」のような文章がヒットします。
一方、「”キャンペーン2024″」(スペースなし)と検索した場合、スペースがない商品ページだけが検索結果として表示されます。上記「お中元キャンペーン 2024」はヒットせず、「お中元キャンペーン2024」のような文章がヒットします。このように、スペースの有無や位置によって検索結果が変わるため、フレーズを設定する際には注意してください。

フレーズ一致検索と類義語の展開

フレーズ一致検索は、類義語は対象外となり、検索フレーズに含まれる単語の同義語や類義語は、検索結果には反映されません。
例えば、「”自転車”」を検索フレーズとした場合、その類義語である「バイク」や「チャリ」での検索結果は表示されません。ユーザーに最も適切な検索結果を提示するために、この点を考慮に入れてフレーズを選定してください。

楽天モール内SEOへの影響は?

セマンティック検索の導入で最も気になるのは、楽天モール内SEOへの影響です。従来のSEO対策では、特定のキーワードをページ内に適切に配置し、そのキーワードで検索エンジンの上位に表示させることが主な目的でした。

セマンティック検索導入後、商品ページの中で検索対象となる商品名、キャッチコピー、商品番号、販売説明文、商品説明文に含まれるキーワードの検索順位への影響を検証しましたが、結果は導入前とほぼ変わりませんでした。

  • 商品名に設定され、かつ完全一致するキーワードが、必ず検索順位で1位になります。
  • 商品名以外のエリアにキーワードを配置しても、検索順位には大きな影響がありません。
  • 同じキーワードを複数箇所に配置しても、検索順位には大きな影響がありません。

現時点では、セマンティック検索がSEOに影響していることは確認されていませんが、将来的には単なるキーワードの配置だけでは不十分となり、コンテンツの質や関連性がより重視される可能性があります。そのため、今後も継続的に検証を行っていきたいと考えています。

今後、どのように楽天モール内SEO対策を行えばよい?

SEOキーワードの効果については従来通りですので、最も検索されたいキーワードは、完全一致の形で商品名に設定しましょう。

これに加えて、セマンティック検索の導入により、検索エンジンはユーザーの意図に合った検索結果を表示できるようになりました。そのため、商品ページの内容も、キーワードから想定されるユーザーが求めている情報を考慮して作り込む必要があります。
例えば、腕時計の場合、単に時間を確認するための道具としてだけでなく、以下のようなさまざまな用途が考えられます。

  • ファッションアイテム: スタイルやシチュエーションに合わせて選ぶアクセサリーとして
  • ステータスシンボル: ビジネスシーンや社交の場で信頼感を高めるアイテムとして
  • ギフト: 記念日の贈り物として、時間を共有する意味を込めて
  • コレクション: ヴィンテージ時計や限定モデルなど、コレクターズアイテムとして

検索キーワードをただ羅列するのではなく、ユーザーがどのような観点から商品を探しても検索結果に表示されるように、具体的な用途や想定されるシーンを考慮し、関連するキーワードやトピックを網羅することを意識してページを作成しましょう。

まとめ

今回は、楽天サーチに導入された「セマンティック検索」について解説しました。AIを活用したこの新しい技術により、ユーザーの検索体験が向上し、検索方法も今後さらに変化していくことでしょう。

これらの技術を効果的に活用し、継続的な改善と最適化を進めることで、楽天市場内での競争力を維持・強化することが求められます。

現時点では、楽天モール内SEOへの影響は大きくありませんが、今後、「セマンティック検索」を意識した商品ページ作りが重要になるのは間違いありません。従来のSEO対策に加え、今回の記事で紹介した「セマンティック検索」を考慮した商品ページの改善についても、ぜひお気軽にご相談ください。

お問い合わせ

お困りの際はご相談ください。
16時までは当日中にご連絡致します!

お問い合わせはこちら