【2025】定期購入リニューアルに伴う商品ページ統合・レビュー移行の注意点と対応方法まとめ

2025年3月、楽天市場の「定期購入/頒布会」機能が大幅にリニューアルされました。定期購入機能を利用するには、有料オプション(月額5,000円)が必要でしたが、申込み不要・利用料無料で誰でも使えるようになり、より使いやすく、費用負担のない形へとなりました。
さらに、通常商品と定期購入商品の登録・編集画面が統合され、ひとつの画面で管理できるようになったことで、店舗様の作業負担も大幅に軽減されています。
そのほかにも、以下のような変更があります。
- 商品画像が最大20枚まで登録可能に(従来は3枚まで)
- 販売価格の設定がSKU単位で可能に(従来は商品単位)
- カタログIDの登録が可能に
- 「定期購入→通常購入」への切り替えが可能に
また、販売方式として「通常購入のみ」「通常+定期購入」の2パターンのみが選択可能となり、「定期購入のみ」での販売はできなくなりました。
「定期購入販売価格」は、「通常購入価格より5%以上安く設定する」ことが必須条件となり、商品ページや検索結果にも定期購入時の割引価格と割引率が表示されるようになるなど、購入者への訴求力も強化されています。
そして重要な変更点として、定期購入の販売価格を改定した場合、既存の申込者にも自動で価格が反映されるようになりました。これにより、価格改定後のお届け分から新価格が適用され、運用の透明性と利便性が向上します。
リニューアル以前から定期購入商品を登録している店舗様は、この変更で、6月30日までに対応しなければならない項目があります。今回は、その対応方法について、わかりやすく解説していきます。
定期購入リニューアルに伴い対応しなければならないこと
楽天市場定期購入リニューアルにより、「定期購入商品」ページが「通常商品」ページへ統合され、定期購入専用ページでの販売ができなくなります。リニューアル前から販売中の定期商品を継続販売するには、以下の対応が必要となります。
移行申請・レビュー申請
リニューアル後、同一商品が定期購入用と通常販売用の2ページで残る場合、ガイドライン違反となるため、2025年8月31日までに販売を継続する商品ページを選び、もうひとつを販売停止に設定する必要があります。
その際、販売停止する旧ページ(移行元)の「購入申し込み」履歴や「レビュー」を、新しいページ(移行先)に転送できる「移行申請」制度が利用可能です。移行申請には2つのパターンがあり、SKU・商品名・画像などが一致することが前提条件となります。

申請条件
リニューアル時の移行申請が承認されるには、必ず以下の条件を満たす必要があります。ここを誤ると審査が通らず、レビューや実績が失われるリスクがあるため、慎重な対応が求められます。
条件① 同一商品かつ完全に同じSKUであること
移行元(旧ページ)と移行先(新ページ)は、同一の商品かつ同一SKU(在庫管理単位)である必要があります。これは、購入履歴やレビューを安全・正確に引き継ぐためです。具体的には
- SKU名と選択肢が完全一致していること
移行元と移行先の商品で、SKU名、項目選択肢名が一致している必要があります。また、シングルSKUの移行の場合もバリエーション登録し、移行元/先ページで一致している必要があります。 - 商品画像1枚目の画像で、同一商品であると確認できること
お互いの商品画像を見て同じ商品であると認識できるビジュアルが必須です。 - 「商品名」で同一商品であることが確認できること
厳密に一語一句同じである必要はありませんが、「商品名」で同一商品であることが確認できる程度にしておく必要があります。
これらがズレていると、「同一商品」と認識されずに審査でNGとなる場合があります。
条件② 移行元商品と移行先商品は1:1であること
移行元と移行先の対応は1商品につき1商品、1SKUにつき1SKUでなければなりません。具体的には
- 商品ページ分割は不可
移行元1ページを、複数の移行先ページに分割することはできません。 - SKU分割は不可
1つのSKUを、複数のSKUに振り分けて移行することはできません。

重複商品ページの削除・倉庫指定
2025年9月1日以降、同一商品を複数ページで販売し続けると規約違反になります。商品移行、レビュー移行完了後、移行元のページは削除または倉庫指定で非公開にしてください。
※移行前(審査通過前)に削除するとレビュー情報なども削除されてしまい移行できなくなるので、必ず移行後に削除しましょう。
商品統合の対応パターンと選び方
リニューアル前に、同一商品が「通常商品」と「定期購入商品」で重複している場合、いずれかに統合する必要があります。統合には3つのパターンがあり、それぞれ特性が異なります。商品の売上実績や運用方針に応じて最適な方法を選ぶことが重要です。
基本の判断ポイント
移行先ページは「売れ筋」から選ぶことが重要
移行元商品の販売実績やランキングは移行されずなくなってしまうため、2つの商品を比較して、販売実績(売上・ランキング)の多い商品を移行先に設定しましょう。
パターン① 通常商品 → 定期購入商品へ統合する
このパターンは移行申請は不要で、レビュー移行のみで対応できます。通常商品と比較して定期購入商品のほうが売上実績が多い場合は、このパターンで対応しましょう。
移行手順
- 通常商品の画像や説明を定期購入商品ページへ追加
- 移行申請により、通常商品の「レビュー」を定期購入商品へ移行
- レビュー移行完了後、通常商品を削除
パターン② 定期購入商品→通常商品へ統合する
移行申請を行って、定期購入商品の情報を通常商品に統合させるパターンです。定期購入商品と比較して通常商品のほうが売上実績が多い場合は、このパターンで対応しましょう。
移行手順
- バリエーション登録を行うなど、申請条件を満たすように商品情報を修正
- 定期商品→通常商品への移行申請で、「購入申し込み」履歴と「レビュー」を移行
- 移行完了後、定期購入商品を削除
メリット
「購入申し込み」履歴を通常商品に移行され、既存の購入申し込みと新規購入申し込みを一元管理できる。
デメリット
シングルSKU商品の場合でも、バリエーション構成が必要で、商品購入時に無駄な選択が生じてお客様のユーザビリティが若干低下する。
パターン③ 通常商品に定期購入オプションを追加し、定期商品は倉庫に格納
移行申請は行わず、手作業で通常商品に「定期購入」オプションを追加するパターンです。パターン②同様、定期購入商品と比較して通常商品のほうが売上実績が多い場合は、このパターンで対応しましょう。
移行手順
- 移行申請せず、通常商品に「定期購入」オプションを追加
- 移行申請により、定期購入商品の「レビュー」を通常商品へ移行
- レビュー移行完了後、定期購入商品は削除せずに倉庫指定で非公開にする
メリット
バリエーションの追加が必要がなく、ユーザーの購入導線が通常商品か定期購入商品を選ぶだけでシンプル。
デメリット
定期購入商品の「購入申し込み」履歴が移行されないので、通常商品に追加した定期購入と既存の定期購入の二つを管理していく必要がある。
定期購入商品を通常商品に統合する場合はどっちがおすすめ?
定期購入商品を通常商品に統合する際、「移行申請を行う(パターン②)」か、「定期購入オプションを自分で追加する(パターン③)」かで悩まれるかと思います。
パターン②は、「購入申し込み」を移行できるというメリットはありますが、ユーザーが商品を購入するたびに、本来不要なバリエーションを選ばなければならないという手間が発生します。この負担は移行後もずっと続くため、ユーザビリティーの面でややマイナスです。
一方パターン③では、「購入申し込み」は移行されませんが、購入時のオペレーションはシンプルなまま維持できます。また、既存の定期購入商品は最大1年で購入が終了するため、長期的には管理の負担も少ないと考えられます。
以上を踏まえると、お客様のユーザビリティーと将来的な運用のしやすさを重視する場合、パターン③を推奨します。
まとめ
今回の移行申請は、申請期限が6月30日までと差し迫っているため、早急な対応が必要です。定期購入商品をご登録されている場合は、上記の内容を参考に、できるだけ早めにご対応いただければと思います。
なお、弊社でも移行対象商品の選定から、Excel申請書の作成、移行申請の代行まで、定期購入商品の移行に関する業務全般に対応しております。
また、楽天市場の運営に関するご相談も幅広く承っておりますので、お困りの際はお気軽にご相談ください。